ケルンボード

クック瑞穂

名古屋市瑞穂区瑞穂通1丁目6−3
(桜山駅から南に二〜三分)

更新日:2021.03.09

3月6日土曜日は朝からぴっかりとした晴天で、昼には20度近くにもなり、公園には半袖の子供達が走りまわっていたりなどし、街路樹のいろんなつぼみはほころんでいて、こりゃあとうとう春が来ましたな、などと浮かれ穏やかな気持ちのまま日が変わり日曜日、今日もさぞ暖かいだろうと上着を羽織らずセーター一枚で自転車をこぎだして30分のち指先も足先も完全に冷え切ってしまった。
どうしたことかと携帯を取り出し、かじかむ指先で天気アプリを確認すると、どうやら現在8度、今日の最高気温は11度とのことで、これだから3月ってやつはよう、と悪態をつきたくなるところだけれど、もう寒くて寒くてどうしようもない。これはもう、味噌煮込みうどんを食べるしかない。

クック瑞穂は桜山商店街の中にある市場で創業は昭和22年(名古屋市商店街組合のホームページより)、大きなマンションの一階フロアに、対面販売式の肉屋や青果店などが現在7店舗入っている。
日曜日ということで、メインの入り口すぐの青果店の空きスペースには、お店のお子さんたちが工作をしていて賑やかだ。先日はお店屋さんごっこだったが今日は何かと横目に見てみると、段ボールでお雛様一式のようなものを作っているらしい。
そのわきをすりぬけて左へ曲がり、丸田屋へ。丸田屋は製麺店なのだけれど、イートインも兼ねていて、こじんまりとしたスペースで手打ちのいろんな麺を食べることができる。のれんをくぐって、ウォーターサーバーでお冷やを注いでカウンター席に座り、一応メニューを見て迷わず味噌煮込みうどん。味噌煮込みうどんを食べるのだけど、とにかく寒いのでそこにさらに餅を入れることにする。餅が入ってると、なんとなく、余計にあったまりそうですからね。
店内には他にも2組のお客さんがいて、ずぞぞ、ずぞぞぞと麺を皆すすっている。壁ぎわのテレビはお昼の気楽な番組を流していて、麺をゆがく湯気によりだんだんと体も温まってきた。メニュー表にある『おじやうどん』っていうのはいったいどんなもんなんだろうなと考えていると、上から小さく声をかけられる。味噌煮込みができたのだ。
カウンターのおにいさんからお盆を受け取ると、味噌煮込みの鍋がぐつぐつとものすごい湯気を放出している。湯気が落ち着いてからあらためて鍋のなかをみてみると、大きな餅がふたつも入っていて、おお、と小さく声をあげてしまう。こんなに餅が存在感満点に乗っかっているとは思っていなかった。

煮えたぎっている鍋

カウンターの上の箸置きから割り箸をとってパキンと割って、一味唐辛子を全面に振りかけて、レンゲで熱々のつゆを一口すする。甘い味噌味がじゅわーとひろがって美味しい。
うどんの麺をずろっとひきだして器にとって食べる。味噌煮込みの麺です、という固さ。これは生煮えなんじゃあないか、というくらいに固いのだけど、名古屋の味噌煮込みうどんってのは一般的にこういうものらしい。あんまり軟弱な麺だと、煮込んでいる途中でやわやわに崩れてしまうかららしいけれど、それにしてももうちょっと柔らかくてもいいんじゃなかろうかと思いながら、もぐもぐと麺を頬張る。美味しいです。そのがっちりとした麺の上にどっかり横たわった餅を箸でつまんでみると、表面はつやつや輝いてふつふつしている。もしや、とかじってみると、餅の柔らかさに油が寄り添っていて、なるほどこれは揚げ餅。油をまとった餅は、味噌のつゆをじゅっとひきつけて、とても美味しい。メガネが曇るのを気に留めずに、麺と餅とつゆをどんどんとお腹におさめていく。くずさずに置いておいた生卵はだんだんと半熟になっていき、かたちの整いつつあるそれをレンゲで器にすくって、最後の餅と一緒に食べる。それにしても、卵と炭水化物の相性ったら。

鍋をすべてあけてしまったころにはお腹の中で麺と餅が大きな顔をしていて、体はもちろん温まりきってもう眠い。お勘定をし、市場の鶏肉屋で鶏ミンチを、青果店でほうれん草などを買って、自転車に乗りこむ。クック瑞穂のほかのお店については、また日をあらためて書きたいと思います。来週には春になっているとよいなあ。

クック瑞穂マップです

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